十和田湖の南は秋田県、小坂町です。鉱山と湖のまちとして栄えてきました。近年はその遺産を活用して新しい町に変貌しています。　（10枚）

十和田湖の南西は秋田県です。湖畔道路から国道103号線に入り、発荷（はっか）峠を越えて「十和田湖大館樹海ライン」を走ります。

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途中、何ヶ所か展望台があり、十和田湖を見下ろせるところがあります。生憎湖面は霞んでおり絶景とはいきませんでした。大館能代空港までの『帰りがけの駄賃』のつもりでしたが、いい町でした。
源を十和田湖外輪山付近に発している「七滝」は樹海ライン沿いの小坂中心街に入る手前にあります。約60mの高さから七段にわたって流れ落ちるこの滝は「日本の滝百選」に選ばれています。
ふもとには竜神を祀る七滝神社、滝を背景にした水車小屋が一段と風情を感じさせてくれます。ちょうど真逆光で幻想的になりました。
小坂町は鉱山の町でした。明治38年に建設された「小坂鉱山事務所」は、明治から大正にかけて鉱産額日本一を誇った小坂鉱山のシンボルでした。ルネッサンス調の建物は当時としては珍しかったでしょう。国指定重要文化財です。
らせん階段を登り展示室へ。多くの展示品とともにジオラマで当時の様子がわかります。まさに山間の近代都市です。
向かいには「天使館」があります。昭和6年にカトリック保育園として開園された「聖園天使園」が移転・新築され、その後平成4年まで小坂マリア園として利用されていた施設です。
やや南に「康楽（こうらく）館」があります。小坂鉱山従業員及び家族の慰安施設として立てられた、日本最古の現役芝居小屋です。中には入りませんでしたが、楽屋には若き頃の平幹二郎、仲代達矢や東野英治郎をはじめ、これまで出演した多くの役者たちの落書きが残されているそうです。当日も演劇が行われていました。
これら3つの建物は「明治百年通り」に面してあります。6月頃は白や淡いピンクのアカシアの花が咲きほこるそうです。「かおり風景百選」や「美しいまちなみ大賞」、「手づくり郷土(ふるさと）賞」に選ばれています。
少し離れたところに「郷土館」があり、その屋外展示場に「旧小坂駅」はあります。小坂鉄道は明治42年に敷設された大館駅と小坂を結ぶ23.3kmの鉄道です。1994年に旅客営業を廃止し、硫酸を運ぶ鉄道として残っていましたが、来年全面廃止になります。