「にしもない」と読みます。秋田県羽後町に700年前からとも400年前からとも言われる受け継がれてきた盆踊りです。
その異様な衣装には圧倒されるものがあります。　（14枚）

今回の旅のメインイベント「西馬音内（にしもない）盆踊り」に出発です。開演時間７時半、指定席券販売開始時間3時、でも1時半には100人の行列ができていました。町は盆踊り一色です、警察も郵便局もスーパーも。

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指定席券をGETして開演までには4時間もある。宿に帰る人もいましたが、私は町を散策に。と言っても何もない小さな町です。西馬音内川の堤防に寄り添うカップル、今晩一緒に踊るんだろうか、微妙な距離感におじさんは想像を膨らませます。
盆踊り会場の外れにある「黒澤家」から本町通りを眺めます。秋田県指定有形文化財です、無料拝観できます。奥の部屋で今でも住んでおられます、そして説明してくれます。
そこに飾ってあった「端縫い（はぬい）」です。元々は節約のために端布を利用して着物にしていたのでしょうが、後年、工夫を凝らし図柄と配色を苦心して作り上げたものでしょう。祖母から母へ、母から子へ受け継がれていったものでしょう。
開演前にはぼちぼち踊り手が出てきます。格好の被写体で、嫌がらずに大勢のカメラマンのモデルとして写真を撮らせてくれます。
前の写真といい、この写真といい、色っぽいですね、艶っぽいですね。
定刻が近づくと、本町通りの中央に置かれたかがり火が点火されます。それを合図に多くの踊り手が出てきて通りを埋め尽くします。
踊り手の衣装には大きく分けて2種類あります。その一つが藍染めの浴衣姿に「彦三（ひこさ）頭巾」と呼ばれる頭巾を被ります。主に若い人に多いようです。
「彦三頭巾」の謂れは諸説ありますが、よくわからないと言うのが本当のところでしょう。どちらにせよ亡者を連想させ、幻想的な感じを与えます、ほんと見入ってしまいますよ。
この異様な雰囲気、鬼気迫るようにも感じます。眉間には黒いボタンを縫い付けていますが、町役場に問い合わせましたが、大した意味もなく目の位置がずれないようにしているだけだとか。
この異様な覆面をしていたのは、このようなかわいい女の子たちです。休憩時間にはこのように覆面をあげて屈託のない笑顔を見せています。
もう一つの衣装が「端縫い」を着て編み笠を深く被る姿です。これも同様に、顔がほとんど見えません。成年女性の衣装です。
囃子は結構派手ですが踊りは正統、正調です。地口は世間世事を風刺したものや野趣情緒溢れるもの、農民特有の素朴なエロチックなものまであります。
一応、会場では撮影禁止です。ましてや前に出ての撮影は禁止です。でも、守る人は少ないですね。カメラマン用に特設会場が設けられています。そこでは自由に撮影できることになっています。8時と9時と2回、15分ずつ、500円です。